日本人の心を伝える、木下恵介記念館

河東一九郎

2009年12月08日 13:49

 去る12月5日は、我が国を代表する映画監督、木下恵介さんの97回目の誕生日であった。
 この日、氏の生まれ故郷である浜松市の旧浜松銀行協会の建物に、木下恵介記念館が再開館し、式典や上映会など、開館を記念する行事が行われた。

 旧浜松銀行協会は、平成10年1月16日に、国の登録有形文化財に指定された由緒ある建物である。その文化財の有効活用方法として、昭和の映像文化を作り上げてきた木下恵介さんを顕彰するために使われることは、日本にとっても浜松にとっても、とても意義深いことだろう。
 
 木下恵介さんは、黒澤明さんや、小津安二郎さんなど、同時代の映画監督と比較されることが多い。外国からの評価が高い両名と比べ低く評価されることもあるが、私は逆に、木下さんに他を超越した価値を感じている。
 日本人の心を描き、心を捉えた映画作りは、この先長く伝えられるべき、日本の宝ではないか。
 木下恵介さんの代表作の一つ「カルメン故郷に帰る」の舞台でありロケ地となった北軽井沢(群馬県長野原町)で、来夏、上映会を中心とした催しを企画している。

 乞うご期待!
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